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株式会社ヒトボディ 第二話〜 赴任先は顔面支社!?ドキドキの研修期間〜

はいどうもファミリアです!


身体をひとつの会社に例えるとわかりやすいし興味が湧きやすいかなぁという話から


前回から株式会社ヒトボディのブログドラマを始めました。


今回はその第2話!配属先が決まりましたよ!




「え……配属先、顔面支社なんですか!?」


そう言って立ち上がったのは、新入社員の表田(おもてだ)ミナ。

彼女の初期配属先は、“感情の最前線”である表情筋課だった。



研修初日、ミナは表情筋課の扉の前で、緊張のあまり顔がこわばっていた。

そこに現れたのは、いつも優雅な笑顔を絶やさない課長——笑田(えみた)ほころ。


「ようこそ。あなた、表情、固いわよ?」


「す、すみません……!」


「謝らなくていいの。むしろその顔、今すごく“新人感”が出てて最高よ」



表情筋課は、喜怒哀楽・微笑・困惑・驚愕などのパートに分かれており、日々数十種類の表情を、的確かつタイミングよく発信する“プロフェッショナル集団”。


ミナは微笑パートに配属され、先輩の咲口(さきぐち)ユウの指導を受けながら、「好感度の高い微笑み」のフォームを学ぶ。


「いい? この角度で頬筋を引き上げて……眼輪筋に少し力を入れて、そう、やわらかく、でも崩さない」


「はい……あれ、笑いすぎてピクピクしてきました!」


「ピクピクは新人の証拠! 無理に引きつってない? 調整しよう」



昼休み。ミナは同じ新人で咬筋部の噛森カナメと食堂で会う。


「顔面支社って、感情が忙しい分、緊張感すごくない?」

「うん、常に誰かが“何かの表情”してるから、気が抜けないよ……」

「こっちは無意識に噛みしめる癖を直すのに必死でさ」


互いに笑いあい、ほんの一瞬だけ、ミナの顔に自然な微笑みが浮かぶ。


その瞬間、遠くのモニターに「自然笑顔指数:+1.2%」の表示が出た。



研修最終日。課長の笑田ほころがミナを呼び止める。


「あなた、最初はぎこちなかったけど、今はいい“柔らかさ”が出てるわ。顔面支社はね、感情の玄関口。

でも、強がらなくていいの。“ゆるむこと”も、大事な表情よ」


ミナは深くうなずいた。


「はい。私、ここでたくさんの表情を覚えて、届けられるようになります!」


笑顔と共に、彼女の“顔の人生”が始まった。


次回予告:

【眉間に刻まれた報告書】

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