株式会社ヒトボディ第十話【顔面支社のゴールデンウィーク!】〜小顔マッサージ、至福と試練の90分〜
- ファミリアくわな鍼灸院
- 5月29日
- 読了時間: 2分
「では、本日より長期休暇に入ります」
表情筋課 課長・**表里 笑子(おもてざと・えみこ)**の一言で、顔面支社に安堵の空気が流れた。
「やったー!」
頬部グループの笑田 ほころが、両頬をピクピクさせながら叫ぶ。
「で、課長……結局どこ行くんでしたっけ?」
咬筋グループの**噛嶋 剛(かみしま・ごう)**が尋ねると、課長はニヤリと笑った。
「“顔面再生リゾート・コガオの湯”よ。全身じゃないわ、顔面よ。筋肉単位の癒し体験、たっぷり味わいましょう」
「……マッサージですか?」
眼輪筋グループの瞬木 るいが瞬きをしながら呟く。「圧、強すぎないといいな……」
—
温泉地に到着した一行。
待ち構えていたのは、国家資格持ちのベテラン施術師・小顔 真理(こがお・まり)。
その指はすでに戦闘態勢だ。
「はい、では咬筋さんからいきましょうか」
「え、俺!?」と噛嶋。
ベッドにうつ伏せになると、次の瞬間。
「ぐあああああああああ!!!」
響く悲鳴。
表里課長が笑う。「咬筋って硬いから、仕方ないわね」
「ゴリッ、ゴリゴリって音がしてるんすけど!? 俺、削れてません!?」
—
続いて施術を受けた前頭筋グループの**眉上 真(まゆがみ・まこと)**はというと。
「……無念」
その顔は一切動かない。だが、うっすら涙を流していた。
「これが……緩むという感覚か……」
—
眼輪筋グループの瞬木は、施術の圧に対して完全防御態勢に。
「まばたき止まらん! むしろ増えてる! リラックスって何だ!」
—
頬部グループの笑田 ほころはというと……
「あああっ、頬肉がっ……伸び……戻ったぁあああ! 幸せェェェ……」
—
90分後、全員が脱力状態で畳に寝転んでいた。
「……顔って、マッサージで生き返るんすね……」
噛嶋がポツリと漏らす。
「いや、私たちがいかに酷使されていたか、よくわかったわ……」
課長も頷いた。
—
その夜、顔面支社のグループチャットには一斉に同じスタンプが投稿された。
「明日も働けます(ただし条件付き)」
—
※特記事項:
この研修の費用は、本社より福利厚生枠で全額補助された。
今回のストーリーはいかがでしたか?
身体同様に顔も疲れます。
疲労困憊では良いパフォーマンスは発揮できません。
定期的に疲労回復してあげましょう!
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