頭の骨は動きません。 それでも「小さくなった」と感じる理由〜「頭の骨を動かす施術」を信じる前に知ってほしいこと〜
- ファミリアくわな鍼灸院
- 1月18日
- 読了時間: 4分
こんにちは、いまかどです。
今回は、とあるカウンセリング中のやりとりを拾って題材にしてみました。 この施術、経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「頭の骨を動かして小さくする施術を受けたんです」
先日、美容鍼の施術中に患者さんからこんな一言をいただきました。
正直、このフレーズを聞くのは初めてではありません。多くの場合、コルギや小顔矯正と呼ばれる施術を指しているのだと思います。
「結果どうでした?」とお聞きすると、
・「うーん…よくわからなかった」 ・「凄く痛かった…」
という返答。
そこで今回は、そのお話を少し深掘りしてみようと思います。
◆今日のポイント
・頭の骨は動かない
・「小さくなる」の正体
・よくわからないまま施術を受けないで
こんな感じで、ほないくでぇ〜。
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1.頭の骨は動かない
まず最初に、大事な前提からお伝えします。
頭蓋骨は基本的に「動きません」。
専門的な話になりますが、頭蓋骨は20数個の骨が組み合わさってできており、成人の場合、それらは縫合(ほうごう)と呼ばれる構造で非常に強固に固定されています。
この縫合は、日常生活や施術レベルの力で骨そのものが動くような構造ではありません。
もし本当に骨が動いたとしたら、それは施術ではなく「骨折」や「外傷」の領域です。 これは脅しでも誇張でもなく、医学的な事実です。
もしかしたらケンシロウや花山薫なら可能かもしれませんが。
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2.「小さくなる」の正体
では、「小さくなった」「スッキリした」と感じる正体は何なのでしょうか。 ここが最も誤解されやすいポイントです。
顔や頭が大きく見える原因の多くは、 ・血流やリンパの滞り ・筋肉の緊張やコリ ・皮下組織の水分量(むくみ) といった【軟部組織】の問題です。
むくみが取れ、流れが良くなれば、フェイスラインがシャープになったり、頭が軽く感じたりすることは十分に起こります。
これは決して嘘ではありませんし、実際に変化を感じる方も多いです。
ただし、それは「骨が動いた」のではなく、「骨の周りの環境が変わった」結果です。
一時的な変化と、構造的な変化は別物です。 むくみが取れてスッキリする変化は、多くの場合一時的なもの。 生活習慣、姿勢、食いしばり、睡眠の質などが元に戻れば、状態も戻りやすくなります。
一方で、骨格そのものを変えるとなると、外科的介入といった全く別の話になります。
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3.よくわからないまま施術を受けないで
ここからは少し想像の話になりますが、 実際には施術者が「頭の骨を動かす」とは言っていないケースも多いのではないかと思っています。
ただ、「何が起きているのか分かった上で、誤解を招く表現を使っている」場合は、かなり悪質だと感じます。
今は少し調べればすぐに分かる時代です。 それを曖昧なまま伝えるのは、正直どうなのかなというのが率直な感想です。
実際に行っているのは、 ・むくみを流す ・筋肉の緊張を緩める ・血流を改善する
といったことなのに、「骨を動かした」「頭蓋骨を締めた」と説明すれば、専門知識のない方は信じてしまいます。
もし本当に頭の骨を動かしていると思っているのであれば、上品に返す言葉が見つかりません。
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4.美容は魔法じゃない
美容の世界は、どうしても 「顔を小さくします!」といった分かりやすい言葉や強い表現が好まれがちです。
ですが、誠実なサロンや施術者とは、 「その施術で何ができて、何ができないのか」 をきちんと説明できる存在だと、私は考えています。
美容鍼も同じです。鍼を刺せば若返る、そんな魔法ではありません。
鍼にできること、鍼が優れていること、不得手なことがあります。
筋肉を緩める順番があり、攻めどころがある。
筋肉のコリを取ることで、顔のパーツが本来あるべき位置へ戻っていく。
あなたが日々積み重ねてきた、お顔の疲労や変化。
それらを整えた【結果】として、顔の印象は少しずつ変わっていくのです。
もし一撃で 「魔法のような結果」 を求めるのであれば、美容整形という選択肢もあるでしょう。
だからこそ、美容鍼は
「すぐに劇的に変えたい人」よりも、
「自分の顔と、ちゃんと向き合いたい人」に向いている施術だと思っています。
今の状態を知り、
・なぜ疲れが溜まったのか
・なぜ戻りにくくなっているのか
その理由を一つずつ外していく。
遠回りに見えて、実は一番ブレない方法だったりします。
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5.最後に
もし「骨を動かす施術」と言われて、不安や疑問を感じたら、その違和感は大切にしてください。
美容は、自分の体を預ける行為です。
だからこそ、分からないことを分からないままにしない。
納得できる説明をしてくれるかどうか。
それがサロンを探す一つの基準だと、いまかどは思います。
ちなみに私に、
「鍼の前に〇〇やってみます?」
「鍼と〇〇、同時進行できます?」
「ボトックスは?やっぱ嫌?」
などと言われた方は、時間的に無理があるか、それはもう鍼ではありません。
言われなかった方は
そうなった原因を一緒に探りながら、
コツコツと顔のコリを緩めてあげましょう。
ほな、またー!




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